「競争が厳しくなっている」タイで人気就職先に異変 日系企業は人材確保に苦戦 タイの方が“年収良い”部長職で300万円の差も【news23】|TBS NEWS DIG

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日系企業の進出がおよそ6000社に上るアジアの一大拠点、タイ。親日国で、日系企業は人気の就職先でしたが、近年は人材の確保に苦戦しているようです。

■タイの日系企業 就職人気に陰り

記者
「会場は、仕事を求めて企業のブースを訪ねて歩く人でごった返しています。すごい活気です」

タイの首都バンコクで開かれた就活イベント。国内のほか、多くの外資企業がブースを出展していましたが、日系企業への就職について求職者に聞いてみると…

女性
「(日系企業は)まったく考えていません」

男性
「日系企業は仕事にとても厳しいスタイルで、真面目すぎるイメージがあります」

親日国のタイに進出している日系企業は、約6000社。長年、日系ブランドが人気の就職先とされてきましたが、民間の調査によると、去年、日系から就職人気ランキングに入ったのは、トヨタやサントリーなど3社のみ。上位を占めたのは、急成長を遂げる新興のタイ企業です。

▼タイの就職人気企業TOP50(タイ民間人材関連会社調べ 2023年)
1位 Google (アメリカ)
2位 PTT(タイ)
3位 SCG (タイ)
7位 トヨタ (日本)
40位 サントリー (日本)
49位 ユニ・チャーム (日本)

大企業の部長職の平均年収は、日本よりもタイの方が上回っていて、日系企業の競争力は低下しているとされています。

▼大企業 部長職の平均年収(経済産業省 未来人材ビジョン 2022年5月公表)
日本:約1700万円
タイ:約2000万円

■日系企業の競争力 なぜ低下?

求人倍率が400倍に上るというタイの美容関連企業を訪ねました。

AURA WELLNESS ジェトボディンCEO
「(売上高は創業8年で)10億バーツ(約40億円)まで成長し、来年もさらに30%〜50%伸びるでしょう。ここまで成⻑できたのは、優秀な⼈材を集めてきたからです」

人気の理由は給与面だけでなく、20代でも管理職に昇進できるキャリアアップ制度。ほかにも、食堂やカフェが無料で利用できたり、息抜きができる設備などが充実していたりと、ユニークな福利厚生も好評です。

転職志向が強いとされるタイの若い世代にとっては、年功序列や規律に厳しいといった日本独特の企業文化は敬遠されてしまう面もあります。

財務マネージャーの男性(28)
「ここでの仕事はとてもオープンで柔軟性があります。⽇本の会社は、私には向いていないと思いました」

一方の日系企業はというと、人材獲得に関するセミナーに参加した人事担当者らの多くが、採用や育成に苦戦していました。

サシン日本センター 藤岡資正所長
「グローバル化というのは、外に向けた対応ではなく自分たち自身と向き合うこと」

日系企業の参加者(自販機製造メーカー)
「日本スタイルを押しつても当然うまくいきませんし、ただ、やっぱりベースとなる考えは(タイ人に)分かってほしい」

日系企業の参加者(総合商社)
「(タイの)給与の水準もどんどん上がってきていますので、そこはすごく競争が厳しくなっているなと感じます」

講師を務めたのはタイ企業の幹部たちです。

主催者「Mediator」ガンタトーン・ワンナワスCEO
「日系企業の人事制度には時代遅れなところもあり、本社が現地の変化に対応できるかが重要だ」

■苦境の日系企業 対応策は?

苦戦を強いられる日系企業の中には、人事制度などを見直す動きもあります。

バンコク郊外の日系の工場では、2016年以降、タイ人の従業員を現場の責任者に据えたり、給与をアップしたりと、モチベーションを高める工夫を凝らしてきました。

福利厚生として、トイレを改装して美容品などを充実させたほか、飲食ができるスタンドも設置。タイ人にとって居心地の良い職場を目指すことで、離職する人がほぼいなくなったといいます。

RIKEN TECHNOLOGY (THAILAND) 澤瀬孝司 副社長
「弊社の場合だと、笑い声が聞こえる工場というものが1つ理念としてある。その結果、従業員の満足度が、もし上がり、長く働いてもらえるとすると、その評判というのは社内のみならず、社外にも届くはず」

今後も経済の成長が見込まれる東南アジア。日系企業が存在感を維持していくための変化と模索が続いています。

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