今年に入り、ラーメン店の倒産が急増している。番組では、今月いっぱいで閉店を決めたラーメン店を取材。その決断の背景に何があるのだろうか。
■地元で愛されてきた人気ラーメン店が閉店
国民食として人気が高いラーメンだが、今そんなラーメン店が苦境に立たされているという。
今週12日、東京商工リサーチは、今年8月までのラーメン店の倒産が28件に達し、前の年の同じ時期と比べて3.5倍と急増。このペースだと、年間の倒産件数が過去最多になる可能性も出てきたと発表した。
埼玉県越谷市で、5年前にオープンした「らーめん破ぐん星」でも…。
らーめん破ぐん星 店主 中純一さん(40):「9月で閉店することに決まってしまいまして」
昼時には、地元の人たちなどでにぎわいを見せているのだが、店主の中さんは泣く泣く閉店を決断したという。
近所に住む常連客に話を聞いた。
常連客(39):「この辺で一番好きなラーメン屋さんだったので、なくなっちゃうの、すごくさみしいですね」
常連客(60):「ドロドロ感がやめられないんですよね。『年を考えろ』と言われるんですけど」
常連客に人気のメニューが「背脂豚骨らーめん」だ。
地元で愛されてきた人気のラーメン店だが、閉店の決断には、店主の客に対する“ある思い”があるという。一体それは…。
■人件費を節約 繁忙時間以外は1人で賄う
中さん:「ずっとラーメン屋さんを22~23歳の時からやっていて。35歳くらいで、お店出せたらいいなと思っていて」
中さんは今から5年前、越谷市に念願のラーメン店をオープンさせた。
当時、多い日には200人以上の客が来店していたという。その後、コロナ禍では、行政からの支援金や無利子融資で何とか乗り切ったものの、さらなる困難が襲ってきたという。
中さん:「やっぱり食材の高騰と水光熱(費)とか下がることはなく、上がってばかりなので。(去年から)1.5倍以上は変わっていると思います」
店では、アルバイトを雇っているというが、人件費を節約するため、忙しい時間以外は、すべて中さん一人で賄っているという。
■客の負担となる値上げ“これ以上考えられない”
さらに、今年3月にはメニューを見直し、ラーメンの価格を100円ほど値上げした。
中さん:「なるべく安い値段で、色々なお客さんに食べてもらいたい。(その思いを)あまり曲げたくはなかったんですけどね」
しかし、その後も食材や電気・ガスの料金などは上がり続け、客の負担となる値上げは、もうこれ以上考えられないとして、今月いっぱいで店を閉める決断を下したという。
中さん:「(Q.無利子融資の返済は?)返済していて、まだ残債があるので、とりあえず何か働きつつ、返していこうかなと。何百万とか借りちゃったんで」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年9月15日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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