母親の自殺を手助けしたとして逮捕された市川猿之助容疑者(47)。取り調べに「睡眠薬を飲んで眠った後に両親の頭に袋を被せた」という趣旨の供述をしています。
■母の“自殺幇助” 病院から移送
事件から1カ月余り。その核心に触れる供述が出てきました。
市川猿之助容疑者:「両親が自殺する手助けをしたことに間違いありません。私も両親の後を追って自殺するつもりでした」
名門・歌舞伎役者の逮捕という局面を迎えた事件。27日午前10時半ごろ。目黒署に入る歌舞伎役者の市川猿之助こと喜熨斗孝彦容疑者。「市川猿之助容疑者、逮捕」という一報はそのすぐ後に入って来ました。
母・喜熨斗延子さん75歳の自殺を手助けしたとして、27日に逮捕されました。入院していた病院から警察への移送。“異例の態勢”でした。警視庁では珍しい“カーテン付き”の車両。表情は見て取れません。
多くの報道陣が待ち受ける警察署も“厳戒態勢”です。警察署にはこれも珍しいテントも設置されていました。
■歌舞伎ファン衝撃「違ってほしかった」
歌舞伎界屈指の人気役者の逮捕。ショックは計り知れません。逮捕を受けて歌舞伎ファンからは動揺する声が聞かれました。
20年来の歌舞伎ファン:「(発生から)時間が経っていたので、その間の情報を見てなかったのでびっくりはしました」「逮捕となるとちょっとね…。本当は違ってほしかったという気持ちはある」
ただ、多くの謎は残されたままです。事件からひと月余り。規制線が貼られた住宅街は静けさを取り戻していました。
マネージャーからの通報:「本人を迎えに行ったら意識が朦朧(もうろう)としている」
静かな住宅街が騒然としたのは、先月18日のこと。猿之助容疑者と両親が倒れているのが見つかりました。
搬送の様子を見た人:「最初に幕張ってご老人が運ばれて、お父さんかな。その後、猿之助さんが運ばれた。2人とも(酸素)マスクして全然、意識なかった」
マネージャーが119番通報したのは午前10時すぎ。父親の市川段四郎さんこと、喜熨斗弘之さん(76)は病院に搬送後、死亡が確認されました。母親は現場で死亡が確認され、死後2時間から3時間が経っていたということです。午前9時ごろ、女性の声が聞こえたという証言もあります。
近隣住民:「みんなで『ややや…』ってしばらくしたらそこの声がなくなった。9時ぐらいじゃないか。今思うと何で『きゃあきゃあ』やたらにぎやかだと思った。騒ぎだった。皆で話していて話す声が女の人が多い感じ」
■「週刊誌報道きっかけ」新供述
事件から1カ月余り。現場の状況も分かってきました。マネージャーが見つけたのは半地下にいた猿之助容疑者。遺書のような内容が書かれたものが見つかっていました。その後、リビングで倒れていた両親を発見しました。2人は布団が掛けられた状態で、死因は「向精神薬中毒」とみられています。
猿之助容疑者に関しては、週刊誌で「セクハラ」や「パワハラ」行為があったとする記事が掲載されていました。警視庁によりますと、猿之助容疑者は任意の調べに対して「週刊誌報道をきっかけとして家族会議が行われた」という趣旨の供述をしていることが分かりました。
警視庁によると、きっかけは当日朝の週刊誌報道。家族会議で「両親をみとった後に猿之助容疑者が自殺する」段取りになったとみられます。睡眠薬を使った後、「袋を両親にかぶせた」と話していたことも分かりました。
薬のごみに加え、その袋については捨てたと説明していて、いずれも現場からは見つかっていません。
市川猿之助容疑者:「なるべく苦しまずに死ぬ方法として睡眠薬を飲んで眠った後に袋を使うことにした」
■「2種類の睡眠導入薬を飲んだ」
気になるのは、今回の逮捕容疑は“母親”の自殺を手助けした疑いです。警視庁によると、薬は猿之助容疑者のもので“両親”に渡したとみられます。猿之助容疑者は2種類の睡眠導入剤を飲んだと供述。母親からも両方の成分が検出されています。母親に無理やり薬を飲まされた痕跡はありませんでした。
元埼玉県警刑事・佐々木成三氏:「これは自らの意思で自殺する意思で飲んだことを警察は明らかにしたということ。自殺幇助(ほうじょ)に関しては、薬を猿之助容疑者が用意して手助けした」「(Q.薬の入手経路は?)すでに明らかにしていると思う。猿之助容疑者が用意したものだと明らかにしないと自殺幇助はできない。これまで41日間の捜査で明らかにしていると思う」
■“父・段四郎さんの死” 関与は?
一方で、父親の段四郎さんの死については分かっていない点が多くあります。
元埼玉県警刑事・佐々木成三氏:「父親(の死)に対しても立件することは警察の姿勢もあると思うが、父親の健康状態がどういう状態だったのか、自分の意思を伝えることができていたのか。自分から飲むというのができなかった時に誰かを介して介助しながら飲ませることもゼロではない」
逮捕を受け、松竹がコメントを出しました。
松竹:「弊社といたしましては、本件が猿之助の家族内の事件であることにも鑑み、司法による最終的な判断がなされるまでは会社としての見解について申し上げることは差し控えさせていただき、今後の捜査等を見守りたいと存じます」
また、所属事務所もコメントを出しました。
所属事務所:「このような事態に至りましたことを重く受け止め、今後も当局の捜査に協力して参ります。また司法による最終的な判断がなされるまで、所属契約に関する見解について申し上げることは差し控えさせて頂きます」
厚生労働省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みなどを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう、呼び掛けています。
▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556
▼「#いのちSOS」0120-061-338
▼「よりそいホットライン」0120-279-338
▼「いのちの電話」0570-783-556
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