18日、東京・目黒区で歌舞伎役者の市川猿之助さん（47）と両親が自宅で倒れているのが見つかり、両親の死亡が確認されました。死亡した両親には布団が掛けられていたことも分かりました。
■リビングで発見 死亡の両親に布団
静かな住宅街を行き交う捜査員。現場は騒然としていました。現場は東京・目黒区の住宅街。
町内会長：「救急車が3台行った。3台も救急車でどうしたんだろうと」「（Q.気付いた？）もちろん。すごい台数でしたし、静かな所、ここら辺は」
捜査関係者によると、猿之助さんのマネージャーから119番通報があったのは18日午前10時すぎのこと。
マネージャーからの通報：「本人を迎えに行ったら意識が朦朧（もうろう）としている」
その状況が徐々に分かってきました。2人のマネージャーが応答がないため自宅に入り、最初に半地下の部屋で猿之助さんを発見。その後、2階のリビングで猿之助さんの父と母が仰向けで倒れているところを発見しました。母親・喜熨斗延子さん（75）は現場で死亡が確認され、父親の市川段四郎さんこと喜熨斗弘之さん（76）は意識不明の状態で病院に搬送され、その後、死亡が確認されました。両親に刺されたような外傷はなかったそうです。布団は掛けられた状態だったことも分かりました。搬送された様子を見た人がいました。
搬送の様子を見た人：「最初に幕張ってご老人が運ばれて、お父さんかな。その後、猿之助さんが運ばれて、2人とも（酸素）マスクして全然意識なかった」「（Q.血が飛んでいるとかは？）全然そんなのない」
■「ぐったりしていた」 両親は死亡
猿之助さんは話せる程度に意識があったそうです。自宅の地下からは遺言のような内容が2、3行書かれた手紙が見つかったということです。
通報があったのは18日午前10時すぎ。関連は分かっていませんが1時間ほど前、女性の声も聞こえたそうです。
近隣住民：「皆でヤヤヤヤヤって、しばらくしたら声がなくなって。（午前）9時くらいじゃないかな。今思うとなんでキャーキャー、にぎやかだなと思った。騒ぎだった。皆で話す声が女の人が多い感じ」「（Q.複数人の女性の声がギャーギャー）そうそう」
警視庁は、現場の状況から猿之助さんが自殺を図ったとみて詳しく調べています。猿之助さんは今も受け答えがしっかりできない状況で、回復を待ち、詳しい事情を聴く方針です。
近隣住民：「ご両親をたまに見掛けるくらい。一緒に歩いているのは見たことないね。会えばにこっと笑うぐらい」
2年前、特殊詐欺被害防止の広報大使に任命された際、家族についてこう話していました。
市川猿之助さん（当時45）：「核家族化でなかなか大家族がそろって暮らすことができない。本当に大事なことは親のことを心配して電話を掛ける、普段会うこと、コロナの状況でなかなか難しいと思いますが、そういうことがゆくゆくは犯罪防止につながる。親を心配する、子どもが親を守る、家族を守る。基本的なところから取り組んでほしい」
■“明治座公演”は中止…ファン困惑
今月3日にスタートした「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」。28日までの予定でしたが、18日の昼の部は中止となりました。
夜の部を観劇予定：「ここに向かうバスの中でネットで見た。代役で夜（の部）もやるんじゃないかと期待を込めて」
明治座の関係者から発表があり、18日は配役を代えて公演を行うということです。
今月3日に初日を観劇した芸能リポーターの山崎寛代さんは…。
芸能リポーター・山崎寛代さん：「（今回の公演は）いま、自分が良い状態で動ける・演じられる時に『若手の方々に教えないと』と伝えていく気持ちが伝わるもの」
■週刊誌でハラスメント疑惑報道も
猿之助さんに関しては、18日発売の週刊誌で「セクハラ」や「パワハラ」行為があったとする記事が掲載されています。猿之助さんの所属事務所は。
所属事務所：「事実確認に努めている最中でコメントできる状況ではありません。警察並びに病院に、情報把握に努めているところです」
四代目市川猿之助・襲名会見：「私が四代目として『猿之助』を継ぐこととなりました。市川家の一門として、市川家並びにその一員として歌舞伎界をますます盛り上げて、歌舞伎のために今回、襲名を決意致しました」
“歌舞伎界を盛り上げたい”。襲名会見でそう決意を表明していた猿之助さん。今やその活躍は歌舞伎界だけにとどまらず、ドラマやバラエティー番組にも幅を広げているのはご存じの通りです。
四代目市川猿之助・襲名会見：「『守り』そして『破る』。早い話がやりたい放題やる役者になって、好きなことをやって死んでいきたいと思っています」
■市川猿之助（47） 自宅から搬送
猿之助さんは1975年、歌舞伎役者の父・市川段四郎さんの長男として誕生します。7歳の時、二代目市川亀治郎の名で初舞台を踏み、本格的に歌舞伎役者への道を歩み始めます。
父の兄で叔父は二代目市川猿扇、いとこに俳優の香川照之さんこと、九代目市川中車。叔父の猿扇がかつて名乗っていた猿之助を受け継ぎました。
市川猿之助さん（当時37）：「叔父に言われたのは『200回やったところから役はなんとなく始まる』」
従来の型にとらわれることもありません。人気漫画「ワンピース」を舞台化するなど、歌舞伎界に新しい風を起こし続けます。
歌舞伎ファン：「新しい。若手をちゃんと育成する。世襲制だけではなく、ちゃんと歌舞伎が好きな人を育てる。次世代へちゃんとつないでいく役割というのを持っている」
猿之助さんは困難にぶつかった時、こんなふうに乗り切ると話していました。
市川猿之助さん（当時41）：「寝ますね。問題があろうがなかろうが、悲しい時もうれしい時も人間って不思議と、寝るとちょっと薄らぐんですよね。だからとりあえず寝ます」
歌舞伎界を担うスーパースターに一体、何が起きたのでしょうか。
厚生労働省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みなどを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう、呼び掛けています。
▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570－064－556
▼「＃いのちSOS」0120－061－338
▼「よりそいホットライン」0120－279－338
▼「いのちの電話」0570－783－556
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp
コメント