安倍晋三元総理の銃撃事件が起きた現場を今後どのようにしていくのかについて議論が行われています。
奈良市の近鉄・大和西大寺駅前。今年7月、ここで演説中だった安倍晋三元総理が銃撃され死亡しました。事件の後、現場近くには献花台が設置され行列ができていました。
この駅前は来年3月末までに広場などを整備する計画が進められています。従来の案では、安倍元総理が中で演説していたガードレールは撤去され、広場につながる道路の一部となる予定です。
しかし今年8月末に奈良市の仲川げん市長は、安倍元総理の銃撃現場をどのような形で残すのか複数案を検討している、と明らかにしました。
(奈良市 仲川げん市長 8月30日)
「海外を含めて、こういった問題が起きた場合にどのような対応をしているのかということについて研究をしたり、実際に現場でどれくらいの場所が取れるのか取れないのかというようなことも含めて、幅広く検討してくれています。複数パターンを考えております」
これに対して街の人は?
「残す必要はないんじゃないかなと。市民のために早く立派な道路に変えてほしいなと思います」
「この道路は行き詰まりやすい道路で、メモリアルということならこの場所じゃなくてもいいのではないかなと思います」
「国のトップの元総理が亡くなった場所というので、大々的にというわけではないですけれど、この場所は残しておいた方が良いのではないかなと思います」
「大層なことをしなくても、ちょっと石盤みたいなね、小さなものでも。簡単なものでいいんじゃないですか」
そして9月13日、奈良市議会でも市長に対して質問が飛びました。
(自民党 山本憲宥市議)
「近日中に案を揃え、外部の専門家に意見を聞くとのことでした。市長が考える跡地活用のあり方をお聞かせください」
(奈良市 仲川げん市長)
「歴史的な事件が起きた場ということをどのような形で受け止めるべきであるのか。どのように対応すべきか、もしくは対応すべきでないのかということも、最終判断をしていきたい」
議会では具体案や方針は示しませんでしたが、閉会後の取材に対しては次のように話しました。
(奈良市 仲川げん市長)
「(計画では)基本的には車道になるロケーションだと思っています。それを方向性を変えたり迂回をしたりするというのは現実的ではありませんので。実際に事件があった現場自体は今後は車道になるというのが基本だと思っています。例えば献花をしようとしたときに、どこに献花をしたらいいかわからないということになりかねませんので、その目印となるようなものをどこかしらに設置するということも一案であろうと」
奈良市は、9月27日に予定されている安倍元総理の国葬後の9月末ごろをめどに、いくつかの草案を示して意見を募りたいとしています。
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