多くの女性を悩ませるPMS。
PMSは日本名で「月経前症候群」と言い、その名の通り月経の数日前からなんらかの不調をきたす状態を指します。月経に向けた女性ホルモンの変化により心身にさまざまな症状が現れ、月経の開始とともに治まるのが特徴です。
PMSの頻度は全女性の約70％とも言われており、働く女性の中には、PMSの症状が仕事の生産性低下にかなりの影響を及ぼしていると感じる人も少なくありません。 ※日本医療政策機構「働く女性の健康増進に関する調査2018」
PMSで現れる症状は、身体的なものから精神的なものまで多岐にわたります。その数はなんと200種類以上。代表的なものとしては、
・頭痛、頭重感
・眠気
・めまい
・胸の張り
・肩こり
・下腹部の痛みやお腹の張り
・便秘
・腰痛
・むくみ
・食欲不振や過食
・イライラ、怒りやすい
・抑うつ、無気力
・集中力低下
などがあります。
これらの症状は全員に必ず現れるというわけではなく、人によって症状にバラつきがあり、また、同じ人でも月によって症状が異なる場合もあります。そのため、本人がPMSと自覚していなかったり、どのように対処してよいかわからなかったり、というケースも多くあります。
実際にPMS患者はどのようなことに悩んでいるのか。症状に悩む女性の声を聞いてみましょう。
「とにかく眠気がひどい。会議中などは眠気を抑えられず苦労する」
「イライラして周りの人に当たり散らしてしまう。そのあと自己嫌悪に陥るので外出するのも嫌になる」
「精神的に不安定になり、相手に対して言うことがコロコロ変わってしまう」
「とにかく心身ともにだるく落ち込みやすくなり、人と会う気力がわかなくなる」
いくらPMSによるものとはいえ、このような状態が続くと仕事や人間関係にも影響が出てしまいます。
症状改善のためには早めの婦人科受診が一番ですが、自分自身でもリズムの調整やストレスケアを行うことで、状況が改善する場合があります。
例えば、基礎体温を測って生理周期からPMS症状が起こりやすい時期を把握し重要な仕事はスケジュール調整をする、といったことや、「PMS時期は無理をしない」という意識をもつ、といったことで気持ち的にもラクになることがあります。
パートナーや職場の周囲の人に事前に症状を伝えることも大切です。
また、不規則な生活はホルモンバランスに影響するため、睡眠時間や食生活など全体的な生活を見直す必要もあります。十分な睡眠や適度な運動、食事を心がけ、規則正しい生活を送れるようにしましょう。
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